継続は力なり? [コラム]

 私は生徒さん達の発表会や演奏会のプログラムを見ていて「何故、同じ曲を演奏しないのだろう?」と言う事が以前から気になっていました。偶然そうなるのなら何も問題ないのですが、指導している先生や、主催している側が意図的にそうする事が多いのが気になっているのです。

 個人(またはグループ)のコンサートやライブならば全体を通しての構成を考える必要がありますし、コンサートやライブのテーマに添って選曲をしプログラムを作る必要があります。場合によっては演奏する場所、時間、季節、聴きに来るお客さんの層も考慮しなければなりません。しかし、生徒さん達の発表会や演奏会ではこれらの事に気を使う必要は無いはずです。一人々々が自分の練習の成果をステージで披露すれば良いだけです。一人々々が課題を持って自分の為に演奏すれば良いのです。

 また「同じ曲を吹いて差がついたら可哀想だから。」と言う人もいますが、まだ勉強中の方が演奏した場合、一人々々差が付くのは当たり前です。生徒さん達の発表会や演奏会の目的は演奏の優劣を付ける事ではないのですし、勉強の一つとして演奏している訳ですから、「差が付いたら可哀想だ。」と言う発想そのものに問題があると思います。ですから、「ミスをしてしまった。」と落ち込む必要はありません。次の演奏で「リベンジ」すれば良いのです。それよりも、「同じ曲を苦労しながら練習してきた仲間がいる。」と言う事のメリットの方が多いと思うのです。自分が上手く吹けないところをスラスラ吹いている人がいたら、その人に「どうやって練習したんですか。」と質問してみて下さい。今はスラスラ吹いている人も以前は吹けなかったはずです。きっと練習の苦労話が聞けるはずです。これが、そのまま自分の為になるかどうかは分かりませんが、ヒントにはなるはずです。反対に質問された場合は自分の練習を客観的に見直す切っ掛けにもなります。

 そしてもう一つ、「何故、一度吹いた曲を吹きたがらないのだろう。」と言う事も気になっています。プロの場合、いつも同じ曲(一流のプロでは話は変わってきますが、)を吹いていたのでは商売になりません。しかし、趣味で音楽を楽しむ方の場合、沢山のCDを買ってもらったり、沢山のお客さんに集まってもらう必要はないのですから、いつも新曲を演奏する必要は無い筈です。ですから、毎回々々発表会に合わせて吹けそうな曲を選曲し、取りあえず格好を付ける(レトルト・ミュージック)様な事をせず、自分が吹きたい曲をゆっくり時間をかけて仕上げても良いような気がするのです。その為に、同じ曲を何回か人前で演奏する事はとても大切だと思います。何となく吹ける曲が沢山あるよりも、「この曲ならプロ並みだ!」と自慢できる曲が1曲ある(上手な人とは?)方が、音楽をより楽しめるような気がします。また、完成度の高い曲を1曲でも持っている人は、それを他の曲に生かす事もできます。そして、これは結果的にレパートリーを増やす事にもつながります。

 生徒さんの中に「私はかれこれ○○年サックスを習っているけど、一向に上手くならない。」「私には才能がないのでしょうか?」と質問する方がいます。残念ながら楽器は時間をかければ必ず上手くなるとは言えません。(半年計画)しかし、上達しないから才能が無いとも言えません。確実に上達する為には沢山の事を経験する必要があるのです。レッスンも個人レッスンやグループ・レッスンどちらか一つでは無く両方受ける必要がありますし、サックスだけで無く、打楽器、鍵盤楽器、歌等も習えればそれだけ上達も早くなってきます。(二重人格になろう!)また、スポーツもした方が良いでしょう。(スポーツを真似よう!)ところが、現在の音楽教室のシステムでは、このように沢山の経験を積む為には沢山のお金と時間がかかってしまい、趣味として楽しもうとすると、現実的には不可能になってしまいます。更に、発表会と言うと殆どの場合、参加費に1ヶ月分のレッスン料程度の費用がかかってしまいます。これでは、人前で何度も吹くと言う訳にはいきません。これを可能にする為には現在あるレッスンのシステムそのものを変える必要があるのです。

 「サックスが好きで、頑張っている生徒さん達に少しでも上手くなってもらいたい。」と言う気持ちはあるけれども、私一人の力で新しいシステムを作る事はできません。また、私の本業(レッスンだけでは生活が・・・・)である音楽活動を辞める訳には行かないので、レッスンに多くの時間を割く事もできません。生徒さん達の力にはなりたいけれども、力になれない事を歯痒く思っていたのです。同業者にこのような話をしても、彼等は今までのレッスン・スタイルから抜け出す事が出来ないでいます。そこで、「少しでも何かの役に立てば。」と言う思いでこのホーム・ページを作った訳です。HTMLやらCGIやら訳の分からない事ばかりで、悪戦苦闘の連続でしたが何とか1年続けてこられました。私のような素人が作ったホーム・ページでも続ける事で色々な方面に影響を与えた様で、私自身も驚いています。これは「継続が力」になったと言う事でしょうか?

 サックスを勉強している方の場合も、ただ、「習っているだけ」では上手くなる事は難しいかもしれません。やはり専門的な知識を持った人のアドバイスと練習の工夫が必要になります。そして、目先の演奏を体裁よくする事ばかりに追われるのではなく、自分の目標を実現する事に目標を置き、長いサイクルでチャレンジ精神を失わずに練習していけば、きっと「継続が力」になると思います。「継続が力」になっていないと思う方は勉強の仕方を変えてみて下さい。その時に「このホーム・ページが役に立てば良いな。」と願っています。そして、「同じ趣味を持つ者同志、力を合わせて音楽を楽しんで(草野球の様な音楽)いただけたら良いな~。」と願っています。そうすれば、すべての人にとって「継続は力」になる筈です。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。